>> Oliviaからのメール [ Mailing List ]
親愛なる由紀さん
お便りしているのは、実さんの研究が、何年にもわたって、私にとっていかに重要なものであるかをお知らせしたかったからです。初めて、実さんの研究に遭遇したのは2002年、私がメルボルンで博士号取得に向けて学んでいるときでした。実さんは、アジア人のオーストラリア移住の視点からアボリジニの歴史を考えている私の思考を、完全に転換させました。この分野でのリサーチを続けていくにおいて、彼の研究は私にとって重要なものであり続けます。
由紀さんとご家族にお知らせしたかったのは、ジャーナル"Aboriginal History"の30周年記念号に、実さんの研究が、アボリジニ史にいかに重要な貢献をなしたかという論文を書こうと思っているということです。論文の焦点は、アジア人とアボリジニの交差点です。実さんの論文等すべてに改めて目を通し、実さんの教えを忘れないことがいかに重要かというエッセイを書くつもりです。
ジャーナルの編集者に提出する前に、一度、私の原稿に目を通していただけないでしょうか。それと、弟さんが本を出版なさるつもりだったと思うのですが、現在もしくは将来、英語訳が入手できるでしょうか?
Olivia
親愛なるOlivia
貴方からのメールを、大変嬉しく読みました。弟がいかに貴方やその他の人々に影響を与えたかを知り、私がどんなに喜んでいることか、きっと貴方の想像以上です。それこそが、まさに、弟が求めた世界との人々とのつながり、ですから。
貴方が提出する論文草稿を読ませていただけるとのこと、光栄に思います。そして、近い将来、どうかANUの保苅実記念奨学金に応募してください。貴方が研究している課題は、弟が次のプロジェクトとして考えていたものです。そのためのフィールドワークに、Bloomeへ向かう途中、背中の痛みのためAlice Springの近くで、旅を断念し、癌とわかったのです。
論文を楽しみにしています。わざわざ連絡をくださって、本当にありがとう。
Yuki