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皆さん、あけましておめでとうございます。

昨日の朝、両親が日本に向けて発ちました。楽しい毎日の一か月間でした。最初はもちろん時差ぼけが大変だったものの、すぐに我が家の地下室のgymで運動を始め、1時間の散歩に行き、そして、マンハッタンではメトロポリタン美術館と、ロックフェラーセンターのクリスマスツリーを見るなどして、13キロほど歩くほど、元気な両親です。海瑠は、父と将棋をし、仁香瑠は、母からそろばんを習いました。

昨年初めに亡くなった母方の祖母は賢い人でした。晩年は母が何年も面倒を見ましたが、よく耳にする老人特有の、自分が正しいと譲らない頑固さや、怒リっぽさがまったくなく、世話をする母のいうことを素直にきき、感謝の言葉を繰り返しました。そういう祖母から、両親が学んだのではないかと思うほど、二人も穏やかでユーモアの心を忘れず、感謝の言葉をよく口にし、お互いを支え合いながら人生を楽しんでいるのが、手にとるようにわかりました。

ミノルのこと、祖父母のこと、そして、祖母の母親のことを、そして、二人の子供時代の話をたくさん聞きました。忙しいこのご時世に、私の世代が、近くに住んでいる親とすら、そんな時間をもつことが、どれほどあるでしょうか。48歳という年で、1か月間、朝から晩まで、両親と毎日過ごせたことを幸せに思います。これも、遠くに住んでいるからで、皮肉なものです。飛行場に、両親を見送りにいき、母に抱きついて泣き、それを見て笑った父に抱きつき、泣きながら家に帰り、母が作っておいてくれたおにぎりを食べて、また泣きました。

ミノルを失うという想像を絶する悲劇を乗り越え、皆さんの驚きの視線を感じながら、私たちは生きています。ずっと私たちとつながっていてくださって、ありがとうございます。毎日、グーグルサーチを通じて、そして、私の編み物を通じて、誰かがメモリアルウェブサイトでミノルと出会ってくれています。ANUのあの奨学基金がなかったら、どうこの月日を過ごしたか、想像もつきません。

Knit-A-Thon 2015に向けて、寄付してくださった方達に、心からお礼を申しあげます。今年は32人のニッターが集まり(去年は27人)、32,780.7 yardの毛糸で、数々の私のデザインを編み(去年は19,550.5 yards)、US$1637.44(去年は$977.52)の寄付を募ることができました。2015年9月時点で、基金残高はAUD$108,546 (2015年3月時点では、$100,555)あり、毎年$4,850の奨学金を支給できています。私の編み物デザインのパターン販売収益をはじめ、その他のイベントやプロジェクトからの収益、ここ数年間に頂いた寄付を合わせ、年末に日本とアメリカから合計でAUD$9200ほどを基金に送金しました。目標額はAUD$127,000の基金で、毎年$5000の奨学金を永遠に支給し続けることです。あと数年でこの目標額を達成することができると感じています。そして、達成した時点で、私は寄付募集活動を止めるつもりです。この基金を、終わりの見えない寄付集めの穴にするつもりは毛頭ありませんので、あと数年、ご協力くださいませ。

Knit-A-Thonの間、「狂ったように」ミノルのために、私のために、若い研究者のために、編み続けてくれたニッターの一人から、こんなメッセージをもらいました。

「3年前、貴方のパターンを買った一人として、Knit-A-Thonの案内メールを受け取りました。ミノルのことをウェブサイトで読み、協力したいと思いました。確か、その時売られていた全部のパターンを買ったはずです。実は、その数ヶ月前に、親友の一人が53歳で癌で亡くなりました。その時、私がまだ知らなかったのは、ミノルに出会ったその同じ日に、貴方のパターンを買ったその同じ日に、もう一人の親友が、私の息子と同い年の15歳の姪御さんを交通事故で亡くしたのです。彼女とその友達は、パーティの帰りに、免許を取ったばかりの男の子から車で送ってもらい、自宅からほんの数ブロック離れたところで、木に衝突した衝撃で、即死しました。パーティは、お酒やドラッグのない健全な友達同士の集まりでした。私はその姪御さんが亡くなる1か月前に会い、私の大学時代の美しい友人にあまりに似ていることにびっくりし、彼女が友人とそっくりに育つかどうかを見届けるつもりでした。だから、私はこの期間は、ミノルのために、狂ったように編むのです。私たちは、素晴らしい人達を失います。思いがけない悲劇で、大いなる可能性を残したまま亡くなる人達がいます。でも、私たちは亡くなった人達の後を継ぎ、前進していかなければなりません。貴方は、そういう前向きに進み続けるエネルギーをもっている人なのです。以前に言ったでしょう、貴方のエネルギーと創造力にはびっくりさせられるって。せめて私ができることは、貴方のために、ミノルのために、若い研究者達のために、編むことくらいです。」

彼女のメッセージを読み、こういう人がいるから、私はやり続けることができるのだと思ったのです。必ず、私がやることを支えてくれる人がいます。そして、ミノルと出会えて嬉しいと思ってくれる人がいます。そして、その後、オーストラリアに住むあるニッターからもメールをもらいました。

「先日、貴方のパターンに出くわしました。弟さんのことを読み、記念奨学基金が設立されていることを知りました。残念ながら、今はパターンを買うお金がありませんが、日記にメモしたので、数週間後にお給料をもらったら、少なくとも一つはパターンを買い、もう一つパターンを買って、友達にプレゼントしたいと思っています。貴方のやっていること、編み物への情熱を共有し、自分自身の利益のためでないデザインに時間を費やしていること、素晴らしいと思いました。オーストラリア人として、奨学金の使途に共鳴します。これからも貴方の活動を応援し、私の地元のグループに貴方のデザインのことを紹介させてください。少しでも寄付につながればと思っています」

私のデザインに出会う人達は、こんなふうにこの基金に協力したいと思ってくれます。ミノルの基金はそういうとても特別でユニークな基金であり、私は非常に誇りに思っています。

皆さんの2016年が健康で実りある一年となりますよう。またミノルの誕生日の7月にお便りします。

由紀