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親愛なる皆様


今年はミノルの命日に少し書くことにしました。

4月17日に「ラディカル」が岩波現代文庫から刊行されました。御茶の水書房から増版を七回重ねて合計4500部でましたが、この度は初版で4500部です。今や、日本国内200以上の図書館に蔵書されているとはいえ、欲しかったのに買えなかったという方達はもちろんのこと、タイミングよく(偶然にも)、人類学者の今福龍太氏がStudio Voice Vol. 412で「保苅実というオーラル・ヒストリアンの痕跡」という記事を寄稿された効果もあり、初めて本を購入された方も多いようです。購入できた喜びの声や、読了後の感想などが、Twitterで流れています。「保苅実」で検索してみてください。

Brenda Croftというグリンジ出身の写真家が、私に連絡して来たのはもう数年前のことでしょうか。彼女の従兄弟がダグラグでミノルと接しています。2016年にグリンジ牧場退去運動の50周年記念祭で、私のメッセージを読んでくれたのは彼女です。その後、彼女は”Still in My Mind”というグリンジの歴史とそれを表現した大勢の人々のアートをまとめた大規模な展示を企画し、その中にNimara & Japartaのニット作品を加えたいと声をかけてくれました。ありがたいことに、カタログへの寄稿と作品展示料ということで豪ドル$1,310を受け取りました。寄稿料の半分は翻訳家の内田恭子さんの分ですが、彼女の申し出を受け、全額ANUの基金へ送金してもらう手配をしたところです。この展示は去年5月にUNSWで始まり、8月にはUQ Art Museumで開催されました。この先数年かけてオーストラリアの各地で展示ツアーの予定です。

御茶の水書房版は、ミノルが印税を一切放棄して学術書としては破格の2200円に抑えました。この度の岩波現代文庫版は1480円。印税は「保苅実とつながる会」の活動費用として使わせていただきます。

ミノルが亡くなって14年の月日が流れました。5000部出したいという彼の目標を叶えることができた今、身軽になった「ラディカル」をこれからどう応援していきましょうか。まずは、文庫化を記念して小冊子を作成中です。どうぞお楽しみに。